大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪高等裁判所 昭和24年(を)2043号 判決 1949年11月07日

被告人

丸岡睦夫

主文

原判決を破棄する。

被告人を懲役二年に処する。

原審における訴訟費用中証人兵藤勝也、同福崎昭三、同西岡あぐみ、同福田博に支給したものは被告人の負担とする。

理由

弁護人伏見礼次郞控訴趣意第一点について。

原判決第一の犯罪事実の判示は所論のとおりであつてこれを熟読するとその趣意は被告人は最初の暴行の際に財物要求の意図をもつていたというのではなく右暴行によつて被害者が畏怖しているのに乘じその機会継続中更に脅迫して帽子一個を喝取したというにあつてこのことは挙示の証拠によつて十分認め得られるところである、そしてこのやうに暴行によつて被害者が畏怖しているのに乘じその機会継続中更に脅迫して財物を喝取した場合にあつては全体として一個の恐喝罪が成立するのであつて最初の暴行を別個に観察すべきでないと解するのが相当であるから、原判決が刑法第二百八條を適用しないで同法第二百四十九條第一項を適用処斷したのは正に当を得たものである。論旨は理由がない。

(註、本件は量刑不当により破棄自判)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例